2012年2月7日火曜日

オシャレ必須アイテム☆ニンジャブーツ

「ニンジャブーツはどこで買えるの?」

日本に来た外国人に何度も聞かれる質問だ。
はいはい、あなたもニンンジャブーツですか…はいはい、それならいい場所知ってまっせ…もう慣れてしまった。
「着物」、「作務衣」に続いて外国人がお土産に買って帰りたい日本のアイテム、それは

「地下足袋(じかたび)」

である。
職人のおっちゃんが履いている、足の先が2つに別れて、上をクリップみたいな爪で止める、靴下みたいな履物だ。

あれは庭の職人さんも必需品で、木に登る時は滑らず、苔の上を歩いてもダメージを与えにくいという優れものなのだ。

外国人、特にアメリカやカナダの北米人は地下足袋のことを勝手に「ニンジャブーツ」と呼び、忍者の履いてた履物!と勝手に思い込んでいる。
私が考察するに、多分「ミュータント忍者タートルズ」の影響だと思われる。
タートルズをよく見ると特に何も履いていないのだが、足の先が2つに割れている。多分これからだ…。
ハリウッド映画の忍者のイメージもあるだろうが、子供の頃からタートルズを見ている彼らへの影響は計り知れない。


初めて地下足袋の事を私に聞いてきたのは、カナダ人の「ティム(Tim 23歳 男性)」だった。

彼は私が通っていたカナダの園芸学校の同級生。
トロントから1時間半ほど車で行った、ハミルトンという小さな工業都市の出身だ。(日本でいうと川崎って感じ?)
これがティム

私達が3年生の時に、クラスのみんなで日本に2週間修学旅行で来た。
せっかくクラスに日本人がいるんだから、一人ではとても旅行できない日本に行っちゃおう!って訳である。
そして京都に滞在した時、一人でショッピングに行っていた彼は、帰って来て嬉しそうに私に言った。

「ユリ!かっこいいニンジャブーツとコスチュームを発見したぞ~~!」

一体何を買ったんだと思って見てみたら、地下足袋と工事現場とかでとび職の人がよく履いているダボッっとしたズボン、あれを着ているのである!
それもかなり裾を「膨らました」やつなのだ。

彼は満足そうに
「今日素敵なお店を偶然見つけちゃったんだよね~~♪ちょっと高かったけど買っちゃった♪」

ティムはたいそうな倹約家で、カナダでも滅多にものを買わないのに、なんと地下足袋とダボダボパンツを即決でお買い上げ。それも2セット!
それは断じて忍者のコスチュームでは無い!とはとても言えないほどのご満悦ぶりだったのである。

そしてカナダに帰国後すぐ、彼は地元ハミルトンで開催されるお祭りに私や友達を誘ってくれたのだが、その時に着ていったのがこの「ニンジャブーツとパンツ」のフルセット。
ハミルトンのような小さな町で目立つ目立つ。工事現場のお兄ちゃんが外国を歩いてるようなもんだ。
しかし彼は、偶然出会う幼馴染み達に自慢げにこう言った。

「俺は日本に行って来たんだぜ!」
「日本で買ったニンジャブーツとニンジャパンツ履いてんだぜ!」

と…。
ハミルトンの人達は町から出ないで一生そこに暮らす人も多い。
特にまだ23歳位の若者達には、元同級生が日本に行って来たというのはビッグニュースだったに違いない。
「ニンジャの国に行ったんだ~。すげぇ~。」
みんな憧れの羨望でティムの話を聞いていた。

それから6年経つが、あれが忍者の衣装では無い事を今だティムに言えていない…。
彼は今イギリスの園芸学校に通っているが、ロンドンの街を地下足袋とダボダボパンツで颯爽と歩く姿を、勝手に想像しているのである。




0 件のコメント:

コメントを投稿